特殊成形技術について
RFM(RP TOPLA Floating core Molding)
RFMは、弊社独自開発の射出成形技術です。


RFMの原理と手順
1
フローティングコアを加圧ポートにセットする
2
金型キャビティ内に樹脂を射出する
3
不活性ガスの圧力(10~25MPa)によりフローティングコアを移動させる
4
不活性ガスの圧力を保持し、冷却固化する
5
活性ガスを放出する
6
成形品を取り出す
RFMのメリット・デメリット
メリット
- フランジやボスなどが付属した複雑なパイプを一体成形できる
- 比較的均一な内径寸法の成形品が得られる
デメリット
- 曲率が大きくなることで、曲管部分の肉厚が均一にならない
- 中空部分を形成する際に樹脂が押し出される為、製品外の樹脂量が必要になる
- 押し出した樹脂をカットする2次加工が必要になる
この技術が使用されている製品
エンジン部品、給湯器配管、介護用マッサージ器
紹介動画
WIM(Welding In Mold)
半成形品を製作し、その後、接合するという2段階に分けた成形を行います。


WIMの原理と手順
1
【一次成形】半成形品(上蓋・下蓋)を成形する
2
半成形品を取り出し、必要に応じて半成形品同士の間に部品(インサート品)を組み込む
3
半成形品を嵌合し、接合成形用金型へ移動する
4
【二次成形】型閉じ後、溶着樹脂を射出し、半成形品を接合する
5
型開き後、成形品を取り出す
WIMのメリット・デメリット
メリット
- 大きさや形状にとらわれず、製品内に部品等をインサートできる(部品内蔵成形)
- 内部にリブ・ボス等を設けた複雑な中空品が一体成形できる
- 中空品内部にインサート品を入れた組立成形・封止成形が可能である
- 振動溶着品に比べ、1.5~2.0倍の高い接合強度が得られる
デメリット
- 半成形品用と接合用の2キャビ金型と2回成形が必要
この技術が使用されている製品
エアコンルーバー、自動販売機のシャッター、携帯電話の電池パック、プリンターインク分配器
紹介動画
AGI(Asahi Gas Injection)
金型内に不活性ガスを注入し、成形する手法です。

AGIの原理と手順
1
金型キャビティ内に未充填気味の樹脂を射出後、不活性ガスを注入する
2
不活性ガスの圧力(10~25MPa)により、樹脂は金型キャビティ内に充填される
3
不活性ガスの圧力を保持し、冷却固化する
4
不活性ガスを放出する
5
成形品を取り出す(空間率は3~7%)
AGIのメリット・デメリット
メリット
- ヒケやソリが小さく、成形歪みが少ないため、寸法の安定した成形品が得られる
- 薄肉部と厚肉部が共存する偏肉構造が可能となり、設計の自由度が向上する
- 成形機の型締力が小さくて済むため、機械設備のランクダウンが可能になる
デメリット
- 透明材料は中空部が見えるので適さない
この技術が使用されている製品
OA機ハウジング、アーケードゲーム機、パチンコ部品、洗面化粧台、浴槽グリップ
発泡成形(NSF(New Structural Foam))
発泡剤を添加した樹脂を用いる成形法です。

NSFの原理と手順
1
樹脂充填前に、金型キャビティ内に加圧ガス(0.5~1MPa)を注入する(カウンタープレッシャー)
2
発泡剤を添加した樹脂を射出、充填する(ガスの圧力により成形品表面は発泡しない)
3
ガスを放出する
4
成形品を取り出す
NSFのメリット・デメリット
メリット
- 厚肉・偏肉成形品でも高外観の成形品が得られる
- 成形品表面は発泡していないため、表面が平滑(一般成形レベル)
- 成形品内部の樹脂は発泡するため、厚肉成形品のヒケが小さい
- 軽量化することができる
デメリット
- 内部は気泡が多くなるため、透明材料には適していない
この技術が使用されている製品
OAハウジング/グリップ、浴槽グレーチング
紹介動画
発泡成形(液体を用いた発泡成形)
液体発泡剤を使用する成形法です。

液体を用いた発泡成形の原理と手順
1
樹脂計量時にシリンダより発泡剤となる液体(水やエタノール)を添加する
2
樹脂充填前に、金型キャビティ内に加圧ガス(1MPa程度)を注入する(カウンタープレッシャー)
3
液体発泡剤を添加した樹脂を射出、充填する(ガスの圧力により成形品表面は発泡しない)
4
ガスを放出する
5
成形品を取り出す
液体を用いた発泡成形のメリット・デメリット
メリット
- 厚肉・偏肉成形品でも高外観の成形品が得られる
- 成形品表面は発泡していないため、表面が平滑(一般成形レベル)
- 成形品内部の樹脂は発泡するため、厚肉成形品のヒケが小さい
- 発泡剤は水やエタノールのため、成形後は残渣にならず、リサイクル性が高い
- 軽量化することができる
デメリット
- 液体を注入する附属ユニットが必要になる